神戸大学海洋底探査センター(Kobe Ocean Bottom Exploration Center; KOBEC)は、国際港湾都市神戸に立地する、国内初、また国内唯一の海洋教育研究拠点の形成を目指して、2015年10月に本学基幹研究推進組織として設立されました。
「青い地球」の言葉の通り、海洋は実に地球表面の7割を占めます。私たちが暮らす日本列島のように、地震や火山の多くは、海洋と陸地の境界で発生しており、それらの根源は目にすることができない地球深部の現象と深く関わるものです。当センターでは、地球を覗く「窓」である海洋底において、世界最先端の探査技術を有する船舶を駆使して、その根源に迫る観測研究を行っています。特に、阪神淡路大震災後の安心・安全に資する研究として、大阪湾〜瀬戸内海〜南海トラフ域の海底下活断層探査に精力的に取り組んでいるところです。また、このような研究活動を次世代に繋げていくため、学内外に開かれた海洋底探査実習を毎年継続的に実施してきました。
海洋⽴国を標榜する⽇本において、船舶「海神丸」を有する特⾊を⽣かし、世界をリードする海洋教育研究の推進と我が国の国際的プレゼンスの向上に貢献することは、神⼾⼤学の重要な使命であると考えます。
本基⾦は、①海洋底探査研究活動を安定的に推進するための財務基盤、②海洋底探査研究の情報発信および普及活動、③海洋リテラシーを備えた「海のグローバルリーダー」や「海のエキスパート」となる⼈材の育成に対して、ご⽀援をお願いするものです。
多くの皆様に当センターの教育研究活動の意義をご理解いただき、ご⽀援を賜りますよう、⼼よりお願い申し上げます。
2021年12月
神戸大学・海洋底探査センター長 杉岡裕子